2009年05月11日

満期繰上特約定期預金に預けるな!

日経新聞「大機小機」で
「仕組み債の落とし穴」という記事がありました。

記事冒頭抜粋
各種の債券は、信用度が最も高い国債の利回りを基準にし、各発行体の信用度と償還までの期間に応じて決定される。したがって、残存期間と信用度が等しければ、特別な理由もないのに利回りが突出して高い債券はあり得ないはずです。
この原理は、金融商品にもあてはまる。有利な投資条件を期待して金融機関のあいだを探し回っても、徒労に終わると考える方が賢明である。
簡単に解説します。

実際に下記が国債の利率(4月)です。
2年国債・・・利率0.4%前後
5年国債・・・利率0.8%前後
10年国債・・・利率1.3%前後
20年国債・・・利率1.9%前後
30年国債・・・利率2.2%前後

仮に銀行が、1年で1%の定期預金を販売する場合、銀行は営利企業ですから、顧客から預かったお金を何らに投資をし、収益を稼ぎ出さなければ成り立ちません。

顧客から預かる資金の投資先を国債と仮定すると、10年国債に投資しなければ、銀行の儲けがありません。しかし、1年定期であることから、10年国債の投資は困難です。
ちなみに、2年国債は、利率が0.4%ですから、この2年国債より期間が短く、さらに2倍以上の利率を稼ぐ必要があります。

つまり銀行は
「国債より信用度が低い」
「国債より価格変動が大きい」など、
大きなリスクを取らなければならないのです。

ここで、最近よく販売されているのが、高金利の定期預金。
銀行は、高い金利を提供するために、リスクを取っているのは、もう理解されたでしょう。
しかし銀行は、そのリスクを顧客に転換させる商品設計をしています。
これが「特約条項」付きの金融商品。
・満期繰り上げができる特約
この預金は、「毎年確実に預金金利が上がる」と謳われていますが、
金融機関が不利となる、市中金利の急激な低下になれば、特約を行使し、満期が繰り上げられ終了となる。

逆に、市中金利が上昇し、明らかに有利な新商品(金利が高いなど)が発売されても、乗り換える事ができない。元本は割れないが、得られるはずの利益をもらい損なう事になる。
これは「有利な預金機会を損失」ということだ。

顧客は、市中金利が上昇しても連動することはなく、市中金利が低下すれば、満期にされてしまう。金融機関は常に有利で、顧客が不利になる。(しかし、預金者は元本さえ割れなければ損ではないと思っているので、その不利に全く気づかない。)

これを解消するのは、自分で、国債を購入すること。
市中金利が上がれば・・・・さらに良い商品への乗り換えもできる。
市中金利が下がれば・・・・そのまま継続、または、売却利益を手にすることもできる。
投資範囲、行動範囲を金融機関に握られず、常にリターンに見合った最小限のリスクで取引ができる。

その他には、
・一定基準を超えると元本が割れる。 これは、為替、商品指数、物価指数、株価に連動し、基準値を超えると元本が割れる。しかし、その基準内であれば、高金利が得られる。
銀行がオプション取引を加味した商品設計で、思惑が外れ損失を被る場合、損失を顧客に転換させる仕組み。
これらの商品は「預金」という安心な名の下にリスクを見失い、ハイリスクハイリターンの商品を購入していることになるのです。

比較的預金が集まる大手銀行は、おおむね国債の金利以下と妥当な金利設定になっています。

「どうして金利が高いの?」と感じた商品は、まず、そのリスクをしっかり確認することが大切です。

投資をギャンブルと勘違いする預金信者は、これを読んでも、
「銀行がそんなことするわけがない」と思うのかもしれませんが、おおむねこのような仕組みです。
世の中、「うまい話はない」というのは、預金金利にもいえることです。


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posted by FPブレーン at 20:20| Comment(0) | 投資の基本:債券投資と債券ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月23日

劣後債の購入にあたって

現在のような景気や株価の低迷時に、金融機関の劣後債発行が目立ちます。

投資する側から見れば、金利も高く、発行元が大手金融機関となれば、漠然と安心な投資先と考えられます。

つい最近発行された三菱東京UFJ銀行劣後債の条件を例に挙げても
金利:2.75% 償還期間:8年(期限前償還条項付)
と、8年間使わないお金で購入する投資先として考えられますね。


まず、劣後債の特徴
劣後債は、発行元の企業が破たんした場合、普通社債と比べて、元本弁済の優先順位が下位(劣後)となる債券をいいます。他の債務を弁済後に支払われることから、普通社債より、金利(リターン)が高く設定されます。

では、実際に劣後債を購入する場合、どのようなことに注意をすれば良いのでしょう。

【途中換金が不利となる可能性】

債券には、株式売買のようにオンラインされた取引所でリアルタイムに取引ができるわけではありません。
証券会社が直近の取引額や流通量などから、価格を決めることになります。
したがって、すぐに売却出来なかったり、不利な条件になる可能性も考慮する必要があります。

とくに「発行会社の格付が下がる」「市中金利が上昇したので、有利な商品に乗り換えたい」などのタイミングは、さらに不利な条件になります。

「原則換金しない」は言いすぎですが、しばらく使わない余裕資金で行うのは必須条件ですが、満期までの期間が長い劣後債は、いろんなケースを考えて決断すべきです。

ただ、金融機関の発行する劣後債は、繰上げ償還となるケースがよくあり、実際に8年の償還であっても、3年程度で繰上げ償還されることもあります。

本来、劣後債を発行する会社から見ると、原則返済を約束していることから、企業の会計上は負債とみなされます。しかし、発行元の金融機関には、一定の範囲内で資本として計上できるメリットがあります。

現在のような、景気株価低迷時などに金融機関の発行が増加するのは、自己資本増強に有効な手段となるからです。また、この自己資本に計上できる額は、満期5年前より縮小されていきます。

つまり、金融機関としては、資本として考慮される金額が縮小されるなら、一度、繰上償還で手終い、新規に発行する方がメリットがあります。このような状況を想定して、【期限前償還条項付】の特約が付加されるのです。

期限前償還条項は、発行元にデメリットが生じた場合に行使される特約な訳です。

条件付の金融商品は裏を返せば、顧客が不利となる可能性があるのも事実です。内容が理解できないものは、手を出さないのが一番です。



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タグ:劣後債
posted by FPブレーン at 23:21| Comment(0) | 投資の基本:債券投資と債券ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月12日

債券と債券投資と債券ファンド

先週のコンサルティングで「債券の仕組みがよくわからない」という質問がありました。

実際に債券投資をしている人にとっては、疑問なく購入できる商品ですが、投資未経験の方には、難しい複雑な取引と考えていることが少なくありません。

また、債券投資を国債などの「商品を購入すること」と考え、投資したお金の使われ方を考えたことがない方もこの機会に、債券投資を考えてみましょう。

投資を、金融商品の購入と考えているうちは、上昇下落の繰り返す投資を継続することは難しいものです。

では、債券投資の基本を、噛み砕いて解説します。



●債券とは

国や地方公共団体、企業などが資金調達の手段として発行する借用証書を言います。決められた期間まで利子が支払われ、満期を迎えると元本が戻ります。

この債券を購入することを債券投資と言いますが、
債券投資は・・・・債券購入ではなく、「誰かにお金を貸す」と考えてください。

さらに購入したお金がどのように使用されるかを理解しておきましょう。

●債券投資

国債の購入は、国を相手にお金を貸す行為です。
国に貸したお金は、税金と同じように公共事業など国のために使用されることになります。

お金を貸す相手が企業であれば、それは社債。
その株式会社の事業成長のためにお金が使用されます。
(トヨタ社債、ソニー社債など上場企業の債券は、常に売買が可能です。)

国債も、社債も、【5年債 年1.5%】と発行時に債券の条件が約束されています。

この条件を見ると
「元本保証ってことですよね!」という質問をよく受けますが、

満期時の償還は約束されていますが「元本保証」の商品ではありません。預金は途中で引き出した場合も元本保証ですが、債券の途中換金は、時価による売却となるため、元本が割れることもあります。


●債券投資のリスク

お金を貸すわけですが、その貸した相手が逃げてしまえば、利子の支払い、元本の支払いもありません。
つまり、貸した相手が破たんなどになれば、お金は一銭も戻らないと考えておきましょう。

誰に貸すかで、お金の戻ってくるリスクが変わります。

友人に貸す
上場企業に貸す。
市や県に貸す
国に貸す


仮に、上記の場合、あなたは誰にお金を貸しますか?

同じリターンなら、リスクの低い手段を選択します。
利子が同じであれば、国に貸すのが破たんリスクは一番低いと考えます。
(今の日本は借金が多いですが。) 

しかし実際のところ、利子が異なります。

破綻リスクが低い・・・・・・利子も低い
破綻リスクが高い・・・・・・利子も高い

つまり、
高いリターンを得るには、高いリスクを受け入れなければなりません。
高いリスクを引き受けたくなければ、リターンも小さくなります。


リターンが高く、リスクが低いということは、原則あり得ません。

しかし、投資の手段(お金の貸す方法)によって、
同じリターンでも、リスクを軽減することができます。

これが分散投資の考えです。

例えば、上記で一番リスクの高いのは、「一人」の「友人」に貸す場合ですが、
「一人」ではなく「複数」の「友人」に貸せば良いという考えです。

このような手段をとれば、リターンにあまり変化はなく、リスクだけを軽減することが可能になります。

例えば、
トヨタ社債、ソニー社債、など一社の社債に投資をするのでなく、
何百、何千と複数の社債に投資をした方がリスクは軽減します。

●この手段が、債券ファンドです。
債券ファンドに含まれる社債は、目論見書を見ればすべて確認できます。こうして考えれば、破綻リスクやどのくらいのリターンが受け取れるかよく理解できます。

投資を考える場合は、過去のデータなど数値も大切ですが、「誰に」、「どのような手段」で貸すべきか十分に理解することで、価格の変動によって動揺することも軽減するでしょう。




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posted by FPブレーン at 10:59| Comment(0) | 投資の基本:債券投資と債券ファンド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする